河合隼雄の幸福論
自分の子どもがどうしても好きになれない、という母親の相談が増加している。 自分の子だから好きなはずだ、好きにならなければ、と思うのだが そう思えば思うほどうまくいかない。 別に、嫌いとか憎いとかいうのではなく、 母親としてするべきことはしてい…
「生涯学習と人間の幸福」という題で著者が公演をしていた。 思いつくままに話していたのだが、「生涯学習」と「幸福」が なかなかつながってこない。 そのときに次のことに気がついた。 人間にとって「生涯学習」は不可欠なことだ。 しかしそれは別に幸福に…
人間が幸福であると感じるための条件はいろいろある。 その中で特に著者が重要だと思う条件が2つある。 ①将来に対して希望が持てる ②自分を超える存在に支えられていると感じる 物やお金がなかったり、親しい人をなくしたりしても この2点が満たされている…
著者が子供劇場の仕事をしている人たちと雑談していた時のこと。 最近の子供たちは、劇を見ていてもそれに入り込まずに、 なんのかんのとやじを言って劇の流れを止めようとするらしい。 ピストルを見ると「あんなのおもちゃだ」と言う。 人が死んでも「死ぬ…
著者が建築家の安藤忠雄氏と対談したときのこと。 安藤氏は極めて創造的な建築家で、国際的に高い評価を受けている。 何しろ独学で建築学をマスターした人なので、 建築界の常識を破るような設計をして人々を驚かせている。 その中で著者が印象に残った言葉…
著者があるシンポジウムで、作家の井上ひさしと一緒になった。 彼は当時芝居に夢中になっていた。 芝居には、本当にいろいろな人が来る。職業も年齢もバラバラである。 ところが演劇が始まり、それが成功する場合には 劇場全体に「不思議な一体感が生まれる…
著者が、ある大学生から相談を受けた時の話。 彼は一流大学の学生で、長い間大学に出てなくて留年を重ね、 もう限界が来て退学するしかない状況だった。 小学校の頃から優等生で、勉強ばかりしていた。 両親が2人とも学歴のない人だったので、彼の成績の優秀…