べき乗の飛躍 「海馬―脳は疲れない(池谷 裕二 , 糸井 重里)」
人間の記憶には2種類ある。
一つは単なる記憶。
もう一つは自分で試してみて
初めてわかるような記憶。
本書では、前者を暗記メモリー、
後者を経験メモリーと呼ぶ。
野球のバッターの打ち方や、
困ったときの対処法、
アイディアの出し方、
こういたものは経験メモリーである。
実際に経験することで
記憶が蓄積されるからだ。
昨日のブログでは
30歳を過ぎると
脳は「つながりを発見する力」が増し、
頭がよくなっていく、という話を紹介した。
これは言い方を変えれば、
経験メモリーの蓄積が爆発的に増えるということだ。
では、数字でいうとどれくらい増えるのか?
最初の力を1とすると、
経験メモリーは「べき乗(2の何乗など)」で
成長していく。
たとえば、Aを覚えたあとにBを覚えるとする。
すると、A、Bだけでなく
Aから見たB、Bから見たA、といった
つながりも覚えるために、
脳の中では4つの関係を覚えることになる。
つまり、2の2乗である。
これを繰り返していくと、
2の0乗→2の1乗→2の2乗・・と
増えてくことになる。
1→2→4→8→16→32→64→128→256
→512→1024→2048→4096→8192
→16384・・・
というふうに経験メモリーが増えていく。
4回経験したときには
16の経験メモリーしかないが、
あきらめずに繰り返し経験していくと
10回目で1024、20回目で100万を超える
経験のつながりが蓄積されるのだ。
一つのことを10年間、
毎日繰り返し行えば、
才能に関わらずモノになる、
と昔から言われているが、
これは脳科学的にも当てはまる。
ポイントはコツコツと
やり続けることだ。
コツコツとやり続ければ、
経験メモリーは直線的に比例せずに
べき乗で飛躍していくから、
最初は遠くに見える目標も
続けていくうちに意外と近くに
感じられるだろう。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器
「コツコツと継続し、べき乗で成長する」