達人になる 「究極のセールスマシン(チェット・ホームズ)」
著者が15歳のころ、空手の腕前を磨く方法を自分で編み出したという。
自宅の部屋の高い天井から牛革でできたロープを垂らし、
胸の高さあたりに柔らかい球をぶら下げる。
この球にキックやチョップを繰り出す練習や、身をかわす練習、
防御する練習をしようと考えたのである。
ためしに球をチョップしてみると、思いのほか勢いよく戻ってきて、
著者は見事に頭に一撃を食らった。
そのあと色々な蹴りを試してみたが、振り子式に戻ってくる球をよけきれず、
中々思うようにならなかった。
しかし、1ヶ月経つと、ごくたまに防御に成功しはじめた。
毎日欠かさず3ヶ月練習を続けるうちに、手・足・ひじ・ひさを自由に
操られるようになってきた。
後ろ回し蹴りを2回繰り返した後に、どこから戻ってくるかわからない球をブロックする、といった複雑な技もこなせるようになった。
6ヶ月後には、返ってくる球に全く体をかすられなくなった。
どんな技を繰り出しても、球がどんな動きをしようとも、
あらかじめ予測してプログラミングしてあったかのように対処できた。
部屋中を目にも止まらぬ速さで動き回る球に、それ以上の速さで反撃する。
まるで自分の肉体がマシンと化したかのように感じたそうだ。
空手の達人になるのに、4000種類もの動きを覚える必要はない。
ほんのひと握りの動作を4000回繰り返すほうが重要なのだ、と著者はいう。
絶えず集中して反復すれば、マシンのように自動的にできるようになる。
ビジネスにおいても、必ずマスタースべき基本がある。
その練習を繰り返すうちに、何もかもが機械のようにスムーズに動き出す。
物事をやり遂げないままあれもこれも手を出しても成功しない。
キーとなる行動を見つけ、断固たる決意でやり遂げ続ける。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「キー行動を絞って、圧倒的な量をこなす」