有効な支援とは 「その島のひとたちは、ひとの話をきかない-精神科医、「自殺希少地域」を行く-(森川すいめい)」
災害支援において、支援者自身も疲弊してしまうことがある。
そこで、東日本大震災のときに「支援者支援をしよう」ということになり、
どのように行うべきか各地で議論がわきあがった。
意見が別れて喧々諤々になっていた現場に、著者が行った。
当時は、支援者の傾聴がいいとか、温泉ツアーがいいとか、
スキルアップ講習をするべきだ、など色々な意見が出てきたが、
それは、支援をするその人の得意分野で意見を言っているに過ぎなかった。
誰もがつい自分でできることをしようとしてしまって、
相手にとって何がいいのかをあまり考えなくなることがある。
自分が正しいと思えば思うほど、視野狭窄してしまうことがある。
そこで、出ていた議論を整理して、4つの問題点に分類した。
こころが疲れた支援者といっても、色々なタイプがある。
タイプ別に分類することで、それぞれに応じた対策がとれる。
A 疲労が蓄積している→交代人員を支援する
B 孤立している→孤立しない支援を行う
C 気分転換がない→気分転換ツアーを行う
D やり方がわからないで悩んでいる→スキルアップ講習を行う
支援者はどれか一つだけが原因で疲れているわけではないから、
どれを組み合わせるか、また、どんな方法で支援をするかは
その地域の特性や支援者支援を行うスタッフのタイプで変えればよい。
大事なことは、やみくもに自分の正しいと思う考えを通さないことである。
相手あっての支援であるから、相手のニーズを明らかにしなければならない。
もちろん、支援者支援に限った話ではない。
営業や販売においても、自社製品のスペックを一生懸命話しても
相手のニーズに合わなければ買ってくれない。
力仕事の現場で学歴をアピールしても、
スマートな人がタイプなのに筋肉を自慢しても意味が無い。
相手のニーズを把握した上で、自分に何ができるか考える。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「相手のニーズを把握して自分のできることをアピールする」