百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

好きになれない人を好きになりなさい 「人間を磨く 人間関係が好転するこころの技法(田坂広志)」

著者が企業に就職し、都内で一週間の新入社員研修があった。

研修後、人事部長から新入社員に対して訓示があったのだが、

ここで人事部長が語った言葉が今も心に残っているのだという。

 

「君たちは明日から当社の各部署に配属になる。

そこで、一つアドバイスをしておこう。

 

配属になったら、最初にその職場を見渡しなさい。

そして、その職場で最も好きになれそうにない人を見つけなさい。

 

そして、その人を見つけたら

その人を好きになりなさい」

 

この言葉を聞いたとき、著者は耳を疑ったという。

「最も好きになれそうにない人を、好きになれ」というのは

無理な要求に思えたからである。

そもそも好き嫌いは感情の問題であり、意思ではどうにもならないのではないか。

しかし、その後現場に配属になって仕事を始めると、

この人事部長の言った言葉の意味が分かってくる。

自分が何らかのチームに参加したとき、

まずそのチームのメンバーを好きになることが

最初に行うべき大切な仕事だと実感したからだ。

言葉で言うほど簡単なことではないが、

メンバーを好きになることで良い仕事ができるようになったのである。

 

そして、企業の現場で「人を好きになる努力」をしていると、

次第に、好き嫌いとは変えがたい「感情の問題」ではなく、

努力次第で変えられる「意思の問題」であることがわかってきた。

世の中には「嫌いなものは嫌い」と簡単に言う人もいるが、

それは残念ながら「成熟した精神」とは言いがたい。

「嫌いなものは嫌い」という言葉は、

少なくとも「好きになる努力」をし尽くした人が言える言葉である。

 

我々は、相手の欠点を見て嫌いになったとき、

その欠点だけでその人の全てを判断しがちである。

しかし、欠点はあくまでもその人の側面の一部分に過ぎない。

人は長所もあれば短所もある。

短所だけを見て全人格を否定するよりも、

長所を見る努力をしたほうがよい。

その人の好きになれる部分があれば、仕事を一緒にしてもうまくいくかもしれない。

 

自分に対してもそうである。

自分が嫌いな人は、自分の短所しか見ようとしない。

長所を見る努力をすること。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「長所を見て、好きになる努力をする」