百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

自分に厳しくしても意志力は強くならない 「スタンフォードの自分を変える教室 (ケリー・マクゴニガル)」

何かを成し遂げる意志力。

この意志力を強くするには自分に厳しくあらなければならない、と思われがちだ。

しかし、数々の研究により、この理論は間違っていることが明らかになっている。

自己批判はつねにモチベーションや自己コントロールの低下を招く。

また、自己批判うつ病の最大の予兆であり、

うつ病ではやる気が失われる。

これに対して、自分をいたわることは、やる気や自制心を強化する。

 

カナダの大学で、ある実験が行われた。

学生たちが勉強を先延ばしにする様子を学期の最初から再ゴマで記録した。

最初の試験では、多くの学生がギリギリまで試験勉強を始めなかった。

そこで直前まで勉強をしなかった自分を責めた学生たちは、

その後の試験でもやはり勉強を先延ばしにした。

一方、最初の試験で直前まで勉強しなかった自分を責めなかった学生たちは、

その後の試験は着々と準備した。

 

これはダイエットにも当てはまる。

ダイエットしていて、つい甘いものを食べてしまったとする。

そこで食べてしまった自分を嘆き、自己嫌悪に陥る人ほど

次も甘いものを食べてしまう。

しかし、食べてしまった自分を許して、引きずらなかった人は

次は甘いものを我慢できる。

 

人は、罪悪感を抱くよりも自分を許すほうが責任感が増すのである。

研究者によれば、失敗したことに対して

自分を厳しく批判するよりも、

自分に思いやりをもって振り返った人のほうが

「失敗は自分のせいだった」と素直に認めることができるそうだ。

そして、他人からのアドバイスにも素直に耳を傾けられる。

 

失敗に対して罪悪感を抱いてしまうと、

脳がそのストレスから逃れようとして衝動的によくない行動を繰り返すという。

試験勉強しなかった自分を責めると、そのストレスから逃れようと

勉強以外のことをやってしまう。

甘いものを食べた自分が許せないと、そのストレスを軽減しようと

逆に甘いものを食べてしまう。

 

失敗した自分を許すことで、恥の意識や苦しみに惑わされずに

事実をありのままに見つめられるようになる。

そうなると、次はどういう行動をとるべきか冷静に見えてくる。

失敗の経験から立ち直るには、失敗した自分を厳しく責めるのではなく

失敗した自分を許すことである。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「自分を許す」