百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

失敗とは「普通」ができないこと 「ここ一番に強くなれ (三田紀房)」

どんなに練習をがんばっても、本番で発揮できなければ意味はない。

だから本番でどれくらい自分の力を発揮できるかが勝負の分かれ目になる。

だから誰もが気負って、本番で普段の120%の力を発揮しようとする。

甲子園の決勝戦で逆転ホームランを打つような

すごいプレイを本番でしようと思ってしまう。

しかし、本番で必要なのは120%の力ではない。

7割の力が出れば本番で勝てる、と著者は言う。

 

競争においては、必ずしも自己ベストを狙う必要はない。

オリンピックで金メダルを取る選手は、

全員自己ベストの記録を本番で出してるわけではない。

誰もが緊張して普段の50%の力しか出していない中で

70%以上の力を出せた選手が金メダルを取る。

記録を狙うのと結果を狙うのは違う。

結果を出すには、本番で他人よりも力を発揮できれば十分だ。

 

野球で言うなら、特大ホームランをかっ飛ばすよりも、

凡ミスをせず試合を終えたほうが勝つ。

甲子園は1日4試合もある。

試合ごとにグラウンドのコンディションは悪くなる。

普通に打った球でも不規則に跳ねて思いがけない方向に転がっていく。

その球を真夏の炎天下の中とろうとすれば、当然ミスも多くなる。

つまり、肩に力を入れてホームランを狙わなくても

基本通り丁寧にゴロを転がしておけば、それだけで相手はエラーをする確率は高い。

 

甲子園で九回裏ツーアウト満塁で、カウントはツースリー。

一発打たれれば、逆転されるピンチのとき、ピッチャーはどうするべきか?

ど真ん中にストレートを投げるべきだ、と著者は言う。

それも全力投球じゃなくていい。普通のストレートを普通に投げる。

たださえ緊張している中でコーナーを狙って投げれば必ずボールになってしまう。

変化球なんて投げようものなら、必ずミスをする。

だから「普通に」ど真ん中のストレートを投げる。

通常ならど真ん中にボールがくれば打たれるが、

そもそもど真ん中をめがけて投げても、本当にど真ん中にはいかない。

そして、バッターも同じように緊張している。

この一打に全てがかかっている状況で、

きっちりとストレートを投げられたときに

「いつもの力」を発揮して普通に振って

普通にヒットできるバッターはめったにいない。

勝負強いピッチャーはそれを理解したうえでど真ん中にストレートを投げる。

自分が「普通に」やれば、相手は「普通に」対応できない。だから勝てる。

問題は「普通」がやれるかどうかだ。

 

仕事においても同様だ。

失敗とは、「なんでもない普通のこと」ができないことを指す。

難しいことができなかった場合は失敗とは言えない。

難しい問題だと周囲が理解していれば

「何で失敗したんだ」と責めてくることはない。

普通にやればできたことを、できなかったときが失敗だ。

 

イチローでも3割のヒットだ。

自分が思っているよりも、周りの人はほとんどヒットを打ってない。

だから特大ホームランを狙う必要はない。

そして、普通のヒットが打てなければホームランも打てない。

まず目指すべきは、本番で普通のことを普通にできるようにすることである。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「本番で、普通のことを普通におこなう(目安は70%)」