百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

あえて限定する 「引き算する勇気 (岩崎邦彦)」

山形県米沢市にある「時の宿 すみれ」

これは「お二人様専用」の旅館だ。

対象としているのは、夫婦、友人、恋人、親子など「お二人様」だけ。

一人客も、3人以上の客も断る。

団体客も、子連れの家族も、グループ客もいない。

部屋は全10室なので、客数は最大でも1日わずか20人。

 

団体客の宴会もなく、カラオケもない。

ロビーに客がたむろすることもなく、温泉での大声での会話もない。

「お二人様に、やすらぎのひとときを提供する宿」のコンセプトの下、

豊かな自然の中で、二人で過ごすゆったりとした時間を楽しめる。

 

以前は普通の旅館だった。

「お二人様専用」というコンセプトに対し、最初は反対された。

「部屋には2人以上泊められるのにもったいない」

「団体客を受け入れなければ、売上が確保できない」

だが、リニューアル後 客単価は2倍以上になり、客室稼働率も9割を超えた。

お二人様に引き算したことで、特徴が生まれ、メディアにも取り上げられる。

 

しかも、二人客だけに対応すればいいので、団体への対応もなくなり、

部屋の割り振りも悩まなくなった。子供用の食事もグッズもいらない。

スタッフは二人連れのお客様へのおもてなしに集中できるため、

サービスの質が向上し、宿泊客の満足度は高まったのだ。

 

「引き算する勇気 (岩崎邦彦)」には引き算をすることで、

逆に価値が生まれると書いてある。

引き算するとは、何かを限定するとも言える。

お客様を「お二人様」に限定することで

「時の宿 すみれ」は価値を上げた。

 

何かを限定すると、思わぬ力が出ることがある。

仕事や勉強も、ダラダラ長時間やるより、

時間を限定して終わらせたほうが効率がいい。

個人のキャリアも、一つのことに限定して磨きをかけると、

取替のできない人材に育つこともある。

限定することで、長所にさらに磨きがかかったり、

短所だと思っていたことがポイントになることもあるのだ。

 

本日の武器「自分の何かをあえて限定してみる」