お金で幸せは 「非常識な成功法則(神田昌典)」
「人の役に立つことをしていれば
お金は後からついてくる」
「本当に大切なのはお金じゃない」
もっともすぎて誰も反論できないような
成功法則が世の中にはたくさんある。
では、これらの成功法則を唱えている人が
経済的に全員成功しているかというと
そうでもない。
著者に言わせれば、このような成功法則は
成功者が自分に言い聞かせるものだからだ。
まともな成功者が恐れるのは、
傲慢になり、天狗になってしまうことだ。
だから、自らを律するために
「謙虚でなければならない」
「神様に生かされている」
「お金で幸せは買えない」と言い出す。
もちろんこれらは大切なことである。
そして、真実である。
だが、お金のないときは話が違ってくる。
子どもの養育費を払わなければ、
病気で手術代がかかるけどどうしよう、
生活費がもっと欲しい・・
凡人にとっては、そういう現実問題が重要である。
そんなときに「お金で幸せは買えない」と言われて
心に響くだろうか。
「お金が全てではない」
⇔「でもお金を稼がなければならない」
「謙虚でなければならない」
⇔「でも、傲慢な方が高値で売れる」
「人との出会いを大切に」
⇔「でも、下請け仕事ばかりは嫌だ」
こういったジレンマは珍しくないのではないか。
金も貧しく、心も貧しい人を
「凡人」と著者は定義づける。
凡人はお金もほしいし、
社会に役立つ人間になって
他人からも愛されたいのだ。
ところが、一気に「お金」も「心」も
両方とも得ようとするのは難しい。
「お金は欲しい」が「お金は重要ではない」
「欲しいものはある」が「贅沢より心」といった
ジレンマが生じるからだ。
そこで著者は、お金と心を切り離し、
一気に「お金」も「心」も目指すのではなく、
まずは「お金」に優先順位を置き、
次に「心」を磨くことを勧める。
経済的に安定していなければ
犯罪に走るかもしれない。
また、まともにお金を稼ごうとすれば、
人の役に立つよう努力しなければならない。
まっとうに経済力を得ようとすれば、
人間的にも成長していかざるを得ないのだ。
お金を稼ぐこと自体は悪いことではないし、
お金方向に傾く前に
心を磨く方向にシフトすれば
破滅することはない。
お金があっても幸せは買えない。
しかし、お金は必要である。
ならばお金と心の問題を切り離し、
まずは現実的に必要なお金にフォーカスする。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「まず経済力をつけて、心を磨く」