印象操作 「心理戦で絶対に負けない本(伊東明+内藤誼人)」
大学生の臼井君は留年経験がある。
大学一年生のときに怠けすぎて、
単位を一つも取れなかったのだ。
就職面接でそのことが指摘されたとき、
彼は何と答えるべきだろうか。
面接官「君は留年しているみたいだけど、
そんなに遊んでいたの?」
1 ええ。ですが、貴社入社できましたら、
仕事第一でがんばります。
2 いいえ、違います。大学での勉強以上に
夢中になっていたことがありましたから。
3 いいえ、遊んでいたわけではありません。
海外を旅しておりました。
休学届が必要だということを知らなくて
留年扱いになったのです。
4 ええ。若いうちしかできない体験というものが
あると思いましたので。
実は、この問題のポイントは、
最初に「ええ」と言うか、「いいえ」というかであり、
その後に来る言葉はそれほど重要ではないのである。
相手の質問は「遊んでいたの?」という質問であり、
これはネガティブな意味合いを持っている。
だから、これを絶対に認めてはいけない。
「ええ」と肯定している1と4は削除するべきだ。
相手のネガティブな質問を受容したら、
そのあとでいくら理由をくっつけても
言い訳にしか聞こえない。
正解は2か3であり、どちらかと言えば
2の方が積極的だから2が望ましい。
ネガティブなことを聴きたがる人はあまりいない。
相手が否定語を含んだ質問をしてきても、
それを肯定してはならない。
否定語が含まれていても、
相手が望んでいるのは肯定的な答えだからだ。
「会えなかいかな?」と聞かれて
「会えないよ」とバカ正直に答えても
相手を傷つけてしまう。
この場合にも「うん、会いたいよね」と
一応、最初は受容しておく。
その後で「今週中は無理だから来週の水曜日かな」と
日付を遅らせるのがスマートであろう。
否定的な質問にも考えにも、
まずは肯定的に受け止めるクセをつけよう。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「ネガティブをそのまま受け止めない」