好印象戦略 「心理戦で絶対に負けない本(伊東明+内藤誼人)」
スノーランスキとカールストンという心理学者が
人間の判断について実験を行った。
彼らの得た結果によると
人が判断を下す場合には足し算にならないという。
つまり、「良い点がひとつ。悪い点がひとつ。
2つを合わせて、心に残る印象がゼロ」
というふうにはならなかったのである。
人間は、ポジティブな情報よりも
ネガティブな情報をより重視する。
ということは、好印象を与えるためには、
良い行いと悪い行いが同数ではダメだということだ。
同数だと相手は悪い行いを重視してしまう。
善い行いを、悪い行いより2倍はしなければならない。
田中角栄元首相は、道路などのインフラの整備や、
経済発展を助ける製作を積極的に遂行して
歴代の総理でも上位に入るような業績を挙げた。
しかし、そんな総理でも、
ロッキード事件というたったひとつの汚点によって
失脚していったのだ。
人は悪い点には辛口になるものだ。
相手に好印象を与えようと思ったら、
次の二通りしか戦略はない。
①良いことを悪いことの2倍以上行う
②良いことをしなくても、
悪い印象はゼロにするよう心がける
①に関しては、悪いことが一つあるだけで
すでに命取りになるというリスクがある。
②に関しては、下手な行動をしなければ
悪い印象はゼロになるはずだが、
それだと好印象を与える機会もなく、
相手を無関心にさせるかもしれない。
とすれば、まずは第一印象で
マイナスにならないように心がけ、
そしてプラスの行動を積み重ねてく、
というのが現実的ではなかろうか。
仕事でも何でも、
見た目や言葉使いや態度で
いきなり悪い印象を残しては
挽回するのは難しい。
最初をつまづかなければ
途中での失点はいくらでも取り返せる。
1点とられたら2点とればいい。
不要なマイナスを減らして
プラスをなるべく多くする。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「マイナスの2倍プラスを重ねる」