お金を捨てる勇気 「行政書士開業初月から100万円稼いだ超・営業法(金森重樹)」
「行政書士として十分な売上をあげられるようになるために必要な、精神面での心構え
を教えてください」と言われたら、著者はあることをまっさきにあげる。
それは「お金を捨てる勇気を持つ」ことである。
もちろん、無駄にお金を捨てるというわけではない。
売上を上げるために必要な小さな販促の実験に躊躇なくお金を使うということだ。
ここでのポイントは「躊躇なく」という点にある。
著者が行政書士を開業したとき、東京近郊で発売されている夕刊紙の5行案内広告を出
した。この夕刊紙の広告料金は、1ヶ月毎日打ってもたったの8万円だった。
著者は半年間打ったので、この期間の広告費用は8万×6ヶ月で、48万円。
さらに、資料請求してきたお客様には無料で資料を送付していたので、それら諸々の費
用を合わせて50万円くらいを、この販促の実験に使った。
この広告を始めたとき、著者は奥さんからずいぶん叱られたという。
「そんなに広告にお金を使って、もしも1件も問い合わせがなかったらどうするの?」
たしかに、正常な主婦感覚からすれば最もな意見である。
あるいは、もしもサラリーマンがやろうとすると、毎月8万円は大きな出費だ。
だが、もしも何かを開業しようとするならば、自営業者がたかだか8万円の広告費を捨
てられないようでは話にならない、と著者は言う。
実際著者は、半年間広告を打ち続けて、年間500万円の売上を得た。
夕刊に打った広告費は毎月8万。誰もこの8万が戻ってくる保証はない。
広告の反響があるかどうかもわからない。
反響が全く無くて損をするかもしれない。
だが、仮に広告の反応が悪くても、少なくともこのような広告は反応が悪いのだという
情報は入手できる。
広告の文案が一発で当たるというのはめったにないから、小さくテストして反応を見な
がら、反響が多くなってから大きく投資する、という方法もある。
要は、長期的に見れば、目先の8万円よりもリターンが大きいと考えたから躊躇なく広
告が打てたのである。
しかし、「儲かるなら広告を出す」「確実に売上が上がるなら広告を出す」という考え
方ではダメだ。リスクを背負って行動できない限り、集客の技術は上達しない。
最初から儲かるとわかっているなら、誰でもお金を出すに決まっている。
そうではなくて、誰も保証してくれないところにお金を躊躇なく捨てることが大切なの
だ。
失敗したときのことを過度に考えすぎて行動しなくなるよりも、
たとえ失敗したとしても長期的に見て得られるものがあればやってみる。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「お金を躊躇なく捨てる」