武装解除 「ハーバード流NOと言わせない交渉術 (W・ユーリー)」
交渉事において、相手が怒り出したとする。
怒りで自分を受け入れようとしない相手を説き伏せようとすると、
それはうまくいかないどころか火に油を注ぎかねない。
相手は、自分が100%正しくて、あなたは全て間違っていると信じ込んでいるから、
あなたの話に耳を貸そうとしないのだ。
そういう相手に対しては、まず「武装解除」をしないといけない。
あなたに対する敵意に満ちた感情を和らげないといけない。
別に好きになってもらう必要はないが、少なくともあなたの話を真剣に聞き、
対等の人間として接してもらえるようにならなければならない。
手強い交渉相手を武装解除するコツは意外なところにある。
つまり、相手が予期しているであろう反応と全く逆のことをするのである。
こちらが反論してくるだろうと思っている相手には、反論しない。
こちらが萎縮するだろうと思っている相手には、萎縮しない。
こちらは怒らず、抵抗せず、相手に歩み寄り、彼らの話によく耳を傾ける。
相手が耳を塞げば、こちらも塞ぎたくなるし、
相手がこちらの見解を認めないなら、こちらも相手の見解を認めたくないだろう。
しかし、売り言葉に買い言葉では交渉がまとまることはない。
相手に自分の話を聞かせたければ、まず自分が相手の話を聞く。
自分の考えに賛成してもらいたければ、相手の考えに賛成する。
手強い交渉相手には、まずこちらが歩み寄って武装解除しなければならない。
「おっしゃることはわかります。
私もあなたの立場になったら同じことをすると思います」と言って、
相手を驚かし、クールダウンさせたほうがよい。
何事も相手の裏をかくことは重要だ。
歯が立たない相手にまともに立ち向かうのは、新幹線にぶつかりにいくようなものだ。
新幹線は、横に避けなければならない。まともに立ち向かったら終わりだ。
相手の発想や、「普通ならこうするだろう」という考えに対して
意表をつけないか。
そう考えることで、自分と周りの状況を客観的に見れるし、
自信につながるかもしれない。
本日の武器「相手の攻撃にまともに反応しない」