バルコニーから見なさい 「ハーバード流NOと言わせない交渉術 (W・ユーリー)」
人間は感情に支配されている。
したがって、話が思い通りに進まなかったり、相手に拒絶されたりすると、
どうしてもやり返したくなってしまう。
感情的になったまま不毛な議論を進めては、
互いに不満を抱えたまま物別れになってしまう。
逆に、相手が感情的になっているのを恐れて
必要以上に譲歩してしまっては、相手にいいように押し切られてしまい、
自分自身も不満を抱えたままになってしまうだろう。
相手の態度も大事だが、それに反応する自分の態度も大事なのだ。
交渉において相手の反応に感情的にならずにすむにはどうすればよいか。
答えは「反応しない」ことである。
相手が挑発して来ようが、怒っていようが、悲しんでいようが、
それに馬鹿正直に反応せず、冷静にお互いの妥協点を見つけていかなければならない。
相手に過剰に反応しないためには、イメージを思い浮かべるとよい。
あなたは劇場にいて、舞台の上で交渉の演技をしている。
そして、2階のバルコニーに登って、そこから舞台を見下ろしている自分を
イメージするのだ。
交渉している自分と相手を第3者の目線で見れば、相手に過剰に反応しない。
舞台の上で演技をしている役者には、
舞台全体の様子を客観的に眺めることはできない。
交渉事では、舞台の上の役者ではなく、
バルコニーに登って舞台全体を客観的に見ないといけない。
宮本武蔵は「近くのものを遠くから見る」という言い方をしている。
相手との交渉において、自分の内側に起こる感情も、
遠くから客観的に眺められば、冷静に交渉が進むだろう。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「バルコニーから眺めれば反応しなくてすむ」