トロを最初に食え 「ワルの作法(中谷彰宏)」
「~したい」という欲望を口に出すのをワガママだと捉える風潮がある。
しかし、著者によれば、欲望を口に出さない人のほうがワガママだ。
欲望を口に出さず、意思表示をしない人に限って何かしてあげても、
「それでは違うんですけど」とか「あっちのほうがいい」などと言い出す。
気遣って「何かしてほしいことありますか?」と聞くと、
「特にありません」と言う。
それで言われたとおり何もしなかったら、
「本当は何かしてほしかった」と相手を責めだす。
ひどいときは「それくらい察して」と言い出すのだ。
それなら最初から言えばいい。
何も言わずにあとでブツブツ言っている人のほうがワガママである。
学校では「嫌いなもの、苦手なものから片付けなさい」と教えられる。
これは言い換えれば「好きなものはまず我慢しなさい」ということだ。
だが、実際に嫌な仕事を最初にやろうとしても、なかなか手につかなかったり
テンションが下ったりするものだ。
むしろ我慢せずに好きな仕事が始めたほうが、
その勢いで嫌な仕事も片付けられることもある。
好きなものを我慢するマジメ君は、一番好きなトロを残しておいて、
他のものから食べ始める。
そして、あまり好きでないものでお腹がいっぱいになってしまって、
最後までとっておいた大好きなトロが食べられなくなる。
ワルな男なら、まず好きなトロから食べて、最後にもう1回トロを注文する。
最初から好きなトロを食べることに罪悪感など感じない。
トロを最後までとっておいて、もしも心筋梗塞で途中で倒れたら
悔いが残ってしまう。
結局我慢をしないということは、今を大切にするということだ。
そういう人のほうが、やりたいことがバリバリできるし、望むものも手に入るし、
長生きできると著者は言う。
だからこそ不満を溜め込んであとで愚痴るようなこともない。
仕事でも何でも、最初に大好きなトロを食べれば、
トロの勢いで嫌いなものも食べられる。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「我慢しすぎない」