世界を旅して本当の自分が見つかるのかというと 「なぜか評価されないあなたへ 心に刺さる耳の痛い話(小笹芳央)」
若い人で「本当の自分はどこにいるのだろう」と悩むことは多い。
挙句、世界中を旅したり、職を転々としたりする人もいる。
そうすることで「本当の自分」が見つかるのだろうか。
「本当の自分」などというものはどこを探しても見つからない、と著者は言う。
なぜなら、そんなものは存在しないからだ。
例えば子供を持つ社会人の男性なら父親・夫・ビジネスパーソン、と少なくとも3つの
側面を持っている。
それはぴったり重なるものではなく、それぞれに違った要素を持っている。
では、それぞれの「顔」が偽りの存在なのかというと。それは違う。
生きていく上で、誰もが必要に応じて役割を演じ分けているだけである。
ビジネスの世界では、この「演じる」という好意が重要である。
現場に「素の自分」を持ち込まず、その都度要求される役を演じ続けていくことで、
職業人としての自分を形作っていく。
それが、ビジネスパーソンには必要なのだ。
名優と呼ばれる役者さんは、作品ごとに全く違う人格や職業を演じる。
そこに素の人格は関係ない。
凶悪犯を演じた俳優が、プライベートでも銀行強盗だったということはないだろう。
危機的状況で自分がリーダーだった場合、
素の自分がどんなに「やばい」と思っていても、
部下には「大丈夫だ」と言って心配させない役割を演じるべきだ。
素の人格は別にして、今求められている役を演じる。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「役割を演じる」