ささやき戦術 「米軍式 人を動かすマネジメント(田中靖浩)」
敵の意表をつくことは古来より重要な戦略とされている。
臨機応変に意表をつけば、戦いを有利に進められる。
これに関して著者がわかりやすい例としてあげているのが、
「ささやき戦術」である。
バッターボックスに入った敵の打者に対して、絶妙のタイミングで
「お前、○○高校なんだってな」と声を掛ける。
礼儀正しい強打者はここで「はい、そうです」と答えて
タイミングを崩されるのである
これを「せこい」の一言で片付けるのは簡単だ。
だが、見方を変えれば結果を出すために
誰もやっていなかったことをやってのけているとも言える。
「ささやき戦術」を成功させるためには、
相手の情報を収集し、相手が動揺する言葉を考えないといけない。
そして、それを試合の状況を分析しながら絶妙なタイミングで言わないといけない。
実際、野村氏は銀座などの飲み屋でネタを仕入れ、
「○○ちゃんとはうまくやっているか」と、打者の弱みをつきまくったという。
研究熱心であるからこそ成り立つ戦術である。
ちなみに、この作戦が通用しなかったのが長嶋茂雄氏である。
「フォームが崩れているぞ」とささやかれた長嶋氏は、
「本当ですか?」といったん離れて素振りをし、
そのあとホームランをかっとばして「ありがとうございます」と
お礼を言ったらしい。
真偽の程はわからないが。
とにかく結果を出すためには、効果的なことなら何でもする。
そして、それを成功させるために労力を惜しまない。
そういった姿勢は見習うべきであろう。
そして何事も意表をつくことは効果的である。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「効果的に意表をつくためにはどうすればいいか考える」