百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

ジーコJAPAN 「個性を捨てろ!型にはまれ!(三田紀房)」

私はサッカーのことはよくわからないが、

著者によれば、ジーコJAPANが誕生したとき、マスコミはこぞって絶賛したという。

前任のトルシエ監督はあまりにも「組織」至上主義で、

選手を厳しく縛りつけ、選手からも不満の声が聞かれていた。

さらに、中村俊輔選手のように戦術上の問題から

選考されなかった優秀な選手もいた。

それに比べて「自由」を掲げ、オールスター選手を結成したジーコ監督は、

ブラジルのような強くて多白いサッカーを実現してくれるような

期待を抱かせていたそうだ。

 

ところが実際に著者が見てみると、

トルシエJAPANのほうが戦術もはっきりしていて

ハイレベルで観ていて面白かったという。

一度歯車が噛み合わなくなると、ずっと修正できないまま

試合を終えるジーコJAPANは勝っても負けても成長が感じられなかったそうだ。

 

逆に言えば、ジーコJAPANは、日本人に「自由」の恐ろしさを

教えてくれたのかもしれない。

特に組織プレーが必要とされるチームスポーツでは、

「自由」よりも「型」のほうが重要である。

 

野球においても、どれだけホームランバッターを揃えたところで、

良い打線になるわけではない。

俊足の1番バッター、技巧派の2番バッター、オールラウンダーの3番バッター、

そして不動の4番バッター、といった打線としての「型」があってこそ

チームは機能する。

「型」がない個性派集団では、チームはバラバラになってしまい勝てなくなる。

 

「日本人は体格で外国人に負けるから、組織力で勝負するしかない」とか言って、

組織プレーは弱さの裏返しとして見られていた。

だが、サッカーW杯のドイツ大会でベスト4に生き残ったのは

組織を重視するヨーロッパ勢ばかりだった。

そして優勝したのは献身的な守備で知られるイタリアだった。

組織の中にしっかりとしたルールと役割があり、

選手たちは勝手なプレーをせずに自分の役割を果たす。

そんなチームのほうが、個人の才能に頼ったチームよりも勝率は高い。

 

自由にやるよりも、型を当てはめたほうが勝ちやすい。

これは組織だけでなく、個人にも当てはまるかもしれない。

自由にやるよりも、まずは基本動作を身につける。

自由にやるよりも、まずは勝ちパターンを研究する。

自由にやるよりも、あえて自分にルールや制限を課してみる。

あえて自分に型を当てはめることで力が発揮される。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「自由にやるよりもまずはパターンを守る」