百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

人とぶつからない人生 「人間を磨く 人間関係が好転するこころの技法(田坂広志)」

人とぶつかり合って和解したとき、お互いの距離が縮まることがある。

人間関係が修復されるだけでなく、さらに深いところで結びつく。

その理由は人間の深層意識の動きで説明できると著者はいう。

 

誰かと意見がぶつかり、感情がぶつかり、心が離れたとき、

我々の「表層意識」の世界では、相手に対する批判や避難、

反感や嫌悪などの感情が動いている。

そしてその一方で「深層意識」の世界では、

・自分に対する嫌悪感(自己嫌悪)

・相手に対する不安感(他者不安)の2つの感情が動いている。

 

例えば、誰かと感情がぶつかったときには

表面的には「あいつはどうしてあんな言い方をするんだ」

「彼女はどうして素直に受け止められないんだ」という形で

相手の言葉や態度に対する批判や避難の感情が渦巻く。

だが、心の奥底では「つい感情的になってしまった・・」

「相手のことも考えて言葉を選ぶべきだった・・」と反省とともに

自己嫌悪の感情も渦巻いているのである。

 

また、感情がぶつかったときに、

表面的には「許せない!」「顔も見たくない!」と思っていても

心の奥底では「彼がどこかで自分を批判しているのではないか」

「どこかで自分の悪口を言っているのでは・」と

他者不安の気持ちが動いている。

 

他人の前で誰かを厳しく批判したり非難したり、陰口を言ったりしたとき

最初は楽しいのだが、後味の悪さが出てくるときがある。

この後味の悪さの正体は、深層意識の中の「自己嫌悪」「他者不安」である。

 

だからこそ、誰かと感情的にぶつかったときには、

自分から相手に声をかけて謝ることが大事である。

自分から「すまなかった」と言って相手に謝ることによって、

「人間関係の修復」ということを超えて、

自分の心の奥の「自己嫌悪」と「他者不安」を同時に緩和することができるからだ。

 

互いにぶつかったとき、相手も自分と同様に深層意識の世界で

「自己嫌悪」と「他者不安」の気持ちを抱いている。

そして、それらを解消したくて、相手に謝罪して和解したいと思っている。

だからこちらから声をかけて謝ることで、

相手も「自己嫌悪」と「他者不安」を解消できる機会が得られる。

 

そして、感情的にぶつかったあとに互いに心を開き、謝り、和解すると

深層意識の世界に「受容感覚」が生まれる。

すなわち、自分の欠点をや未熟さをさらけ出しても、

相手がそれを受け入れてくれた、という感覚が生まれる。

だからこそ、相手とぶつかって乗り越えると、結びつきが強くなるのだ。

 

人は誰しも欠点や未熟さを持っている。

それらを抱えた自分を受け入れて欲しいと考えている。

感情的なぶつかり合いを、自分から声をかけて謝ることで乗り越えれば、

より多くの「受容感覚」を味わうことができる。

人とぶつからない人生が良い人生ではない。

人とぶつかって心が離れても、それを乗り越えて深く結びつく人生。

それこそが良き人生だと著者はいう。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「人とぶつかったときに自分から謝る」