百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

これ勉強して何の役に立つんですか 「会社に左右されない仕事術(三田紀房)」

不景気が続き、赤字に転落すると、会社はできるだけ手っ取り早くお金になる

仕事を優先するようになる。

手っ取り早くお金になる仕事とは何か?

それは他者の二番煎じだと著者は言う。

ブームに便乗し、すでにあるヒット商品やサービスの二番煎じを出せば、

それなりに売上は見込める。

完全な新商品よりも売れる確率も高い。

 

では、他者の二番煎じに明け暮れている会社は強くなるだろうか。

もちろん強くはならない。

他人の二番煎じに達成感もないし、成長もしない。

繰り返しているうちに活気も企業体力も失ってしまう。

日銭を稼いだり、ノルマを達成したりすることは大事だが、

そこだけに目を奪われるとジリ貧になってしまう。

 

私がこの話を読んだとき、別の本で読んだ学生の例を思い出した。

「先生、これって何の役に立つんですか」とドヤ顔できいてくる大学生の話だ。

自分でその授業を選択したくせに、そのような質問をしてくる。

しかも、そう聞かれた先生はうろたえるだろうと考えている。

 

今の時代、ネットで調べれば瞬時に情報を引き出せる。

メールを使えばすぐに連絡はとれる。

コスパという言葉が横行し、何でも効率的に考え、無駄を嫌う。

このような時代で生きれば、上記のような大学生も増えるのかもしれない。

 

だが、「即効性のある、効率的なもの」は、

他の人も既にやっていることが多い。

だから「無駄なことをしたくない」「すぐに役に立つことを」という考えに

とらわれすぎている人は、結局は他の人との差がつかない。

みんながやっていることしかやらないからだ。

たまにはみんなが行ってる道と違う道を通ってみると

見たこともないような景色を見ることができる。

その経験が、他の人とは違う発想を生むのではないか。

もちろん違う景色を見たからといって

その経験の全てが役に立つとは限らない。

だが、違う景色を見てきたことが、不意に役に立つ時もある。

 

勉強も同じことだ。

その全てが直接就職に役に立つわけではない。

だが、就職に直結しそうな勉強をやっている人なんていくらでもいる。

人に差をつける人は、みんながやっている勉強も抑えたうえで、

就職に直結しない勉強も行っているのではないか。

その経験が、みんなと同じことしかしない人との差を生む。

 

著者は言う。

中途半端に金儲けを考えると、二番煎じに走ってしまう。

もっと大きな仕事をして利益を出すには、

あえて「金儲けにならないことも考える」ことが重要である、と。

3M社の15%ルールや、グーグルの20%ルールなど、

就労時間の一部を自分の好きな研究にあてることを認めているものもある。

これらの制度によって「ポストイット」や「Gmail」は生まれた。

 

みんなと同じことしかしないのであれば、画期的なアイディアは生まれない。

他人とも他社とも差をつけることはできない。

10%でもいいから、本業に直結しないことも研究してみる。

すぐに役に立つわけではないが、その蓄積が意外なとこでヒントになる。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「意識的にルーティンワーク以外の時間を作る」