膠着状態を破る 「ほめる あやまる 感謝する ですべてうまくいく(中谷彰宏)」
交渉事を進めるときに一番避けたいことは、膠着状態になることだ。
進みも退がりもしない状態はよくない。
例えば、乗っ取り事件で犯人を説得しているとする。
いきなり「全員開放しろ」と言っても前に進まない。
そういうときは、まず「女性・高齢者・子ども・病人を開放してください」と
交渉し、そのかわりに食料を入れる。
いきなり最終的な大きな目標を叶えようとしても、
相手の目標とぶつかって膠着状態になってしまう。
まずは小さなギブアンドテイクを成立させると、交渉は動き始める。
交渉は動かしていけば、やがて大きなギブアンドテイクに行き着く。
時には力を抜いて退がることも必要だ。
小さな交換条件をたくさん作ることで、
相手には、それが受け入れやすい空気ができてくる。
小さなギブアンドテイクの積み重ねが相手との信頼関係を作る。
誘拐犯と警察であっても、ハイジャック犯と警察であっても、
信頼関係があってこそ交渉事が進むのだ。
その信頼関係は、ギブアンドテイクの大きさではなく、頻度で決まる。
もちろん犯罪の交渉事だけでなく、あらゆる人間関係に当てはまる。
恋愛でいきなり相手を口説いても成功しない。
営業ででいきなり商品を売りつけても成功しない。
ボクシングでいきなりKOパンチを放っても、
サッカーでいきなりゴールを狙ってシュートを打っても成功しない。
小さなコミュニケーションを積み重ねていくことで、大きな成功は得られる。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「小さなことから交渉を成功させていく」