みんなに好かれる爽やかなゴキブリ 「ダメな自分を救う本(石井裕之)」
「私はダメな人間だ・・」とつぶやく人。
実はその人は、本当にダメな人ではないと著者は言う。
自分がダメだと思えた時点で、「本当はダメじゃない」ことを証明しているのである。
ゴキブリは自分のことをダメだと思っているだろうか。
「こんなジメジメした暗いところでコソコソと生きて、
みんなから嫌われて、俺って何てダメだろう」と考えるだろうか。
おそらく、そんなことは考えもしないだろう。
もしもそんなことを考えるのなら、
みんなに好かれる爽やかなゴキブリがいてもよさそうなものだ。
なぜゴキブリは自分のことをダメと思わないのか?
それは、暗くコソコソと生きるのが、ゴキブリにとっての「本来の自分」だからだ。
「ありのままの自分を受け入れる」という言葉がある。
まさにゴキブリは、ありのままの自分を受け入れている。
これも一つの考え方である。
無理して自分に合わないものを追いかけるよりも、
ありのままの自分に合った生き方をしていく。
ところが、私なんかは特にそうなのだが、
「ありのままの自分」に納得がいかない人がいる。
納得がいかないのに、「ありのままを受け入れよう。
私は今のままで十分素晴らしいんだ」と思おうとしてもうまくいかない。
それは、向上心を持つ自分を否定しているからではないか。
つまり、今のままではダメだと思っている自分を、ありのままに受け入れていない。
本当は「~したい」「~になりたい」という願望を持っているのに、
その気持を無視して抑えこもうとしている。
ありのままの自分を受け入れるということを極端にしてしまうと、
健全な願望を持っている自分をも否定しかねない。
本当にダメな人は、自分がダメだということに気づかないし、認めない。
変わりたい、成長したいともがくこともない。
本当に心の底から「成長して~したい」という気持ちがないのなら
人に迷惑をかけないかぎり、それでもいいかもしれない。
だが心の奥底に本当の願望を押し殺しているのであれば、
その気持は受け入れたほうがいい。
自分のことをダメな奴、と素直に認めることである。
素直に認めれば、努力ができ、成長できる。
高価な真珠も、最初は貝の中に入ってきたゴミから作られる。
ゴミを核として、その周辺に美しい真珠が形成されていく。
今の自分がダメなら、その今の自分を認めて
そこからスタートするしかない。
ダメさを素直に認めれば、素直に努力しようと思える。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「ダメな自分に気づけば、ダメじゃなくなる」