百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

赤字でコピー代を削る会社に明日はない 「会社に左右されない仕事術(三田紀房)」

会社が赤字になったとき、多くの経営者は自社の「無駄」に注目する。

とにかく無駄を削れば赤字が縮小できると考え、コピー代を削ろうとしたり、

交際費の上限を決めて厳格に守らせたり、観葉植物を撤去したりと

さまざまな策を講じる。

 

しかし、著者は断言する。

赤字になった途端にコピー代を削る経営者に経営する資格はない。

経営者に必要な資質が欠落しているからだ。

 

たしかにコピー代を削ったらそれだけ経費の削減につながる。

しかし、会社は別にコピーや電気を使いすぎたから赤字になったわけではない。

コピー代を削って300万円の経費が削減できたとしても、

会社全体から見れば「吹き出物レベル」に過ぎない。

会社が健康であれば吹き出物の治療にも意味があるが、

深刻な病にかかっているときに吹き出物の治療に躍起になっても意味は無い。

今必要なのは、病気の根本的な治療だ。

赤字の根本的な原因に目を向けなければならない。

 

もちろん無駄な経費の削減は大事なことだ。

そしてコピー代や電気代をうるさく言うのは、会社が儲かっているときがベストだ。

儲かっているときには社員が放漫になりやすいからだ。

そのときは倹約の精神を説かなくてはならない。

 

だが、会社が赤字に陥っている時は注意しなくてはならない。

赤字の時に経営者が突然コピー代や電気代にケチをつけ始めると

職場の雰囲気が暗くなり、ギスギスしてくるのだ。

社内につまらない節約ルールが増えると、お互いを監視しだす。

「あいつのコピー用紙の使い方はおかしい」と言い出す。

ますます社員のモチベーションは低下する。

 

守りの局面で大事なことは、社員を奮起することだ、

ここでいちいちコピー代にケチをつけていると逆効果になる。

蛍光灯を一本一本抜いていくたびに暗い雰囲気になっていく。

ましてや、人件費に手をつけだすと社員のモチベーションは一気に低下する。

 

赤字の会社を元気にするにはどうするか。

トップが範を示すことだ。

社員に「変われ!」と命令するのではなく、

自らが変わった姿勢を示す。

たとえば社員の給与はそのままに、まずは自分の報酬を下げる。

新幹線はグリーン車をやめて普通車に乗る。

社用車やハイヤーをやめて電車に乗る。

ここまでやれば経営者の危機感が全社員に伝わる。

全員が本気になれば、打開策は必ず見えてくる。

 

そもそもトップの待遇は変わらないのに、

社員の給料を下げたり、コピー代や電気代にケチをつけて

モチベーションが上がるわけがない。

赤字のときこそトップが模範を示し、社員のモチベーションを上げなければならない。

そのうえで根本的な原因に取り組む。

 

個人においても同様だ。

危機的状況では、モチベーションを上げることを考え、

根本的なことに目を向ける。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「守りの局面で、やる気を削いだり目先のことにとらわれたりしない」