この記事は読まないでください 「スタンフォードの自分を変える教室 (ケリー・マクゴニガル)」
1985年、トリニティ大学にて実験が行われた。
17名の学生が突然ある考えにとりつかれ、頭から追い払えなくなった。
必死になって他のことを考えようとしても、必ず意識の中に戻ってくる。
それは「シロクマ」だった。
学生は「シロクマ」のことがどうしても頭から離れなくなったのだ。
もちろん普段学生はシロクマのことなんて考えない。
彼らは「これから5分間、シロクマのことを考えないでください」という指示を
受けてしまった。
とにかくシロクマ以外のことを考えなきゃ、と思って
いろんなことを考えようとするが、気がつくとシロクマのことを考えてしまう。
考えてはいけないと思うほど、かえって頭から離れなくなるのだ。
もちろんシロクマ以外のことにも当てはまる。
不眠症の人が眠らなければ、と焦るほど眠れなくなる。
ダイエットをしている人が炭水化物を避けようとするほど
炭水化物の食べ物のことで頭がいっぱいになる。
心配症の人が悩み事を考えないようにしようとするほど
最悪のシナリオが浮かんでくる。
また、「~するまい」と頭で意識しすぎると、
反対の行動を行ってしまうこともある。
就活で好印象を与えようと力むと、鼻につく発言をしてしまう。
演説している人が言葉に気をつけようとすると、差別的な発言をしてしまう。
ウェイターがトレイをひっくり返さないようにしていると、ひっくり返してしまう。
頭の中の思考をムリにコントロールしようとすると、必ずリバウンドが起こる。
考えや欲求を頭からムリに追い払ってはいけないとすれば、
私たちはどうするべきか?
答えは「あきらめること」である。
何かの誘惑や欲求が浮かんだとき、それに逆らわない。
しかし、思った通りに行動することはしないようにするのだ。
自分の欲求をコントロールするというよりも、
行動をコントロールすることだ。
何かを禁じられると、そのことをやりたくなってしまう。
考えるなと言われると考えるし、
食べるなと言われると食べるし、
押すなと言われると押したくなるのだ。
だからこそ行動に焦点を当てる。
「やらない」ことよりも、「やる」ことに焦点を当てるのだ。
ダイエットでは、食べないのではなくカロリーの低い食事を作る。
ネガティブな思考をやめるのではなく、ポジティブなことを考える頻度を増やす。
悪い行動を減らそうとするよりも、別の行動を増やすことで自然と減っていく。
押さえつける、禁じるといったやり方はうまくいかない場合が多い。
押さえつけなくても、何か別の行動をすることで結果は出る。
我々がコントロールできるのは行動である。
頭に浮かんだことと、実際の行動を区別すること。
何かをしない代わりに、別の何かをすること。
そうすることで自信につながるかもしれない。
本日の武器「欲求を受け入れるが、従わずに別の行動をする」