百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

成長の必要経費 「抜く技術 (上原春男)」

株式投資や為替取引などでは、損切りができて初めて一人前と言われる。

損切りとは損を出したまま勝負を降りることだ。

損を取り戻そうとして、かえって傷口を広げてしまうこともある。

それ以上損を拡大させないために、

思い切って損切りの決断が必要なこともある。

 

一度決めたことだからと作戦変更をためらう人もいる。

男がいったん決めたことを軽々しくひるがえすべきではないと

こだわる人もいる。

一見いさぎよい態度に見えるが、やめることや引き際を考えていない勇気は

無謀や蛮勇というものである。

必要であれば、昨日決めたことを今日変えるのをためらうべきではない。

槍の名人は突くときよりも引く速度のほうが速いそうだ。

リーダーは引く決断と勇気が非強だ。

 

引くことは損だ、と考える人もいるが、

必要な損も世の中にはある。

熱力学の法則によれば、力を最大限に発揮するには

ある程度の損や無駄が必要になるそうだ。

会社だって必要な経費まで削減したら売上も減ってしまう。

個人でも成長しようと思えば多少の無駄や損は惜しまないほうがいい。

 

人材育成についても同じことが言える。

人を育てるのは時間がかかる。

自分がやればすぐに終わることも

人に任せるとなると時間がかかる。

そこを我慢できず、自分一人だけでやっていると、

その仕事自体は早く終わるが、自分の手は空かない。

人に任せるとことで自分に余裕が生まれて

新たな仕事にとりかかれる。

 

地方分権が叫ばれているが、掛け声の割には進んでない。

その背景には、地方には自治能力がないから任せられないという

中央官庁の抵抗もあるようだ。

しかしその理屈は順序が逆で、まかせないから力がつかないのだ。

 

個人でも組織でも、思い切って任せてみれば

できるようになるものだ。

任せたうえで、放置せずに節目ごとにチェックすればいい。

任せれば人はできるようになる。

逆に言えば、「自分にできるかな」というようなことでも

いざ、任せられればどうにかなるものである。

だから仕事はどんどん引き受けたほうが成長できる。

仕事を任せたり、任せられたりすることを損と思わない。

そうすることで自信につながるかもしれない

 

本日の武器「やったことのない仕事こそ積極的に引き受ける」