百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

角をたてない人はスキがない 「抜く技術 (上原春男)」

剣道では、上段者になればなるほど力を抜くことに長けるそうだ。

かまえらして自然体でリラックスしていて、そのくせどこにもスキがない。

体のどこにも力が入ってないから一見スキだらけに見える。

しかし、いざ打ち込もうとするとどこにも死角がない。

こっちの必死の打ち込みを、すずしい顔であしらっていく。

 

有無をいわせずガンガン押していく強さではなくて、

みずからは力を抜いて、相手が打ち込んでくる力を利用しながら

必要最低限の力だけで勝つ。

すごい人ほど力の抜き方が上手い。だからこそスキがない。

 

剣道に限らず、本当にすごい人はきまって穏やかで、自然体である。

人当たりもまろやかで「角」がない。

目下の人間にも優しく丁寧に接して、奇をてらったり、

相手に無用な緊張感を強いるようなこともないし、見下すこともない。

 

では、気楽でとっつきやすいのかというと、そんなこともない。

人柄に角がないと同時に、人からつけ入れられるような死角もない。

だから、優しくていい人ではあるが、なめられることはない。

 

なぜそういう態度がとれるのかというと、

日頃から幅広い知識や深い見識を土台にもち、人一倍努力しているからである。

剣道でも熟練者が肩の力を抜くいてかまえるから全くスキがないのであって、

未熟な人間がただ脱力してかまえるのはただの手抜きである。

日頃の修練を積み重ねているからこそ、力を抜いて人と接することができる。

 

逆に言えば、威張っている人、むやみに自分を主張している人、

自分の個性を吹聴するような人は、どこか無理をしているところがある。

本当にすごい人は、肩に力を入れて「俺ってすごいだろ」と言わなくても

自然とすごさが内面から滲み出てくるものだ。

相手を無意味に威圧したり、角をたてて接する人は、自分に無理をしている。

日頃からやるべきことをきちんとやっている人は、自然体で角をたてずに人と接する。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「無意味に角をたてない」