百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

後から身につけられないもの 「実践するドラッガー 思考編 (佐藤等・上田惇生)」

自己開発には2種類ある。ドラッガーは次のように言った。

「自己開発とはスキルを習得するだけでなく、人間として大きくなることである。

おまけに、責任を焦点に合わせるとき、人は自らについてより大きな見方を

するようになる。。うぬぼれやプライドではない。誇りと自信である。

一度身につけてしまえば失うことのない何かである。

目指すべきは、外なる成長であり、内なる成長である。」

 

「外なる成長」は、業務知識や技能、成果をあげる能力や

マネジメント能力などを習得することである。

「内なる成長」とは、人間として大きくなることである。

いわゆる人間としての器であり、心揺れる状況でもビクともしない信念、

人や物事を受け入れる度量、バランス感覚などがあげられる。

 

スキルを身につけることはすごく大事なことだ。

しかし、それと同時に人間としての器も大きくするべきだ。

「外なる成長」も「内なる成長」も、仕事を通して習得できる。

著者によれば、仕事の責任から逃げないことによって鍛えられるという。

責任は自分の基準で測れるものではない。

組織の社会的役割に導かれた基準を満たして初めて、

人は周囲から認められ、真の誇りや自信の源を得られる。

 

では責任を果たすために必要なことは何だろうか。

ドラッガーは言った。

「真摯さは習得できない。仕事についたときに持っていなければ、

あとで身につけることはできない。真摯さはごまかしがきかない。

一緒に働けば、特に、部下にはその者が真摯であるかどうかはわかる。」

 

「真摯」を辞書で引くと「真面目でひたむきなさま」とある。

真摯さのない人に責任は果たせない。

スキルはあとで身につけられるが、

真摯は「仕事についたときに持っていなければ」ならない。

ドラッガーは次の質問をすることで、その者が真摯であるか否かがわかると言った。

「その者の下で自分の子供を働かせたいと思うか」

組織で働く者の真摯さは、見返りを求めない親や教師の心構えで人に接することに

等しいとも発言している。

 

真摯さとは要するに「真剣さ」だと私は思う。

真剣に責任と向き合うからこそ、スキルも身につくし、人としても大きくなれる。

ドラッガーの質問は自分に対しても使えるかもしれない。

「私の下で他人が自分の子供を働かせたいと思うか」

どんなにスキルがあっても、そもそも真剣に責任と向き合ってない人に

人はついてこない。

逆にスキルはなくても真剣な人であれば、スキルは後から身につくから

問題はないとも言えるかもしれない。

 

もっと言えば、悩んでいるのはそれだけ真剣に向き合っているからではないか。

人は自分にとってどうでもいいことには悩まない。

その問題について真剣に考えているからこそ悩んでいるのだと思う。

悩みを抱えている人は、それだけ真剣な人ともいえるかもしれない。

そして、真剣な人はいつか答えにたどり着けると思っている。

 

もちろんあまりにも真剣になりすぎて、視野が狭くなっているときに

ふと力を抜くと意外なところから答えが出ることもあるだろう。

だが、それも真剣に向き合っていること前提の話だと思う。

あれこれ考えて、行動してきたからこそ、肩の力を抜いたときに解決する。

真剣さは後から身につけられない。

仕事についたときに持っていくべきものではないか。

 

スキルを身につけることは重要だ。

それと同時に人間性も大きくしていくべきだ。

それは自分の背負っている責任に真剣に向き合うことで磨かれる。

そうすることで自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「責任に真剣に向き合って、スキルと人間性を磨く」