百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

上司を操り、部下の目を気にするのが正解 「がなり流!(高橋がなり)」

「こんな上司の下で働くと、得することより損をすることが多そうだ。」と、

自分なりに上司を評価し、頑張ることを避けて力の出し惜しみをする。

これでは巨人の星に出てきた「大リーガー養成ギブス」の装着を避け、

楽なトレーニングを選んでいるのと変わらない。

強力な魔球を投げて、一躍ヒーローになるためのチャンスを逃すのは勿体ない、

高橋がなりは語る。

 

マネーの虎で有名になる前はテリー伊藤の下テレビ業界の荒波を乗り切っていた。

テリー伊藤は厳しかった。頑張っているのに殴られる理不尽な扱いをされた。

その頃テリー伊藤は天才と騒がれる前の時代だった。

有名でも評価されているわけでもないのに、理不尽なテリー伊藤についていこうと

決めたのは、彼が勝ち方を教えてくれる人だと思ったからだ。

上司のため、会社のためではなく、自分のためになると感じたのである。

 

そしてテリー伊藤の元を離れ、ギブスをはずしたときには

自分の能力が格段に向上しているのを実感したという。

扱いの難しい上司もとで働けるのは、ある意味チャンスかもしれない。

見放題の模範解答集を見て分かった気になっても、

いざその解答集がなくなると、一人で何もできなくなってしまう。

 

自分の上司を手のひらで回せない人間は上司になれない。

上司を回すということは、上司よりも一歩先を読む能力を身につけるということだ。

例えば、テリー伊藤に右に行ってもらいたい時は、

高橋がなりはあえて「伊藤さん、左に行きましょう」と言った。

すると「違う、こういうときは右だ。」となり、

「そうですか。こういうときは右ですか。」と言いながら指示に従う形で右に進む。

ただし、そのときの機嫌で「じゃあ左に行くから失敗したら責任取れよ」と

言われることもあるので、常に裏の裏まで読まなければならない。

「上司に相談したいなら上司の行動パターンを把握しろ」と

私も上司から言われたことがある。

いずれにしても上司の一歩先を読もうとすることで、

上司がどういう判断をしてどういう行動をとっているかがわかってくる。

 

では部下に対してはどういう態度を著者はとってきたか。

いつも自分よりも下の人間の目を気にして仕事してきた、と語っている。

上の人間は下の人間をそれほど意識していないから、

だまそうと思えば簡単にだませる。

 しかし、下の人間は自分の上の人間のことをよーく見ているから、だませない。

下の人間に、この人は本物だと思わせなければ本物ではない。

 

下の人間への心遣いという点で凄い人の例として、林家ペー・パーが挙げられている。

彼らはタレントやディレクターの写真だけでなく、ADの写真も同じように撮る。

著者もADのころ写真を撮ってくれて、次に会ったときに、

「高橋さん、これ、この間の写真です。」と言って渡してくれる。

名前もきちんと覚えてくれているから、すごく嬉しい。

自分が偉くなったら、ペー・パーさんと仕事しようと思ったそうだ。

業界中にそういう経験をしたADがいるからこそ、

ずっとテレビに出られるのかもしれない。

 

言わば、宝石だけでなく石ころにも魅了を感じているということだ。

街に宝石は落ちていない。名刺交換会みたいな場所に行って宝石を探すだけでなく、

自分の身の回りにある石ころに魅力を感じてシャッターを切る。

すると丸い石がブームになって価値が出たりもする。

当たり前のようにあるものを大事にすると財産になる。

 

例えば、人材とは財産だ。

倉庫に眠っている大量の不良在庫は、何の利益も生まないのに

納税の時には財産として計算されて、課税の対象になってしまう。

しかし、人材には税金がかからない。

税務官が「あなたの会社には、こんなにも有能な社員がいるから

1億円として評価して、課税します」とはならないのである。

部下の目線を気にするとは、自分のためになるだけでなく、

非課税の財産を作っているとも言える。

 

口うるさく怒ってくる上司の下で働いていた時が、今思えば私が一番成長していた。

自分が部下の時には、厳しさに耐え抜くこと。

自分が上司の時には、「この人についていけば自分は成長する」と認められること。

そうすることで自分が成長し、部下が成長し、会社が成長する。

そこから自信にもつながるかもしれない。

 

本日の武器「上司の先を読み、部下に認められる」