いきなり正解を出すのが正解ではない 「頭の回転が速い人の話し方(岡田斗司夫)」
温泉旅行に行って、みんなで卓球をするとする。
ここでいきなりスマッシュを打って勝とうとしても面白くない。
卓球で楽しいのはラリーが続いている時だ。
会話も同様である。できるだけ長く続く会話のほうが楽しいのである。
そっけなく返事したり、「それは○○です」と断定して
いきなり終わるのは、会話としては楽しくない。
「頭の回転が速い人の話し方(岡田斗司夫)」で推奨される会話のコツは、
なるべく断定で言い切らないことである。
断定で言い切ったら会話は終了である。
「~と考えちゃうけど、そのへんはどうなの?」みたいに、
とにかく相手から言葉を引き出すことがポイントだ。
相手から言葉を引き出し、会話を長く続ける。
そのためには、昨日のブログでも引用したように
議論で「相手に勝とうとしない」「相手に負けたと思わせない」ことが大事だ。
言い換えると、何かの疑問に「答えようとしない」「正解を出そうとしない」ことだ。
大事なのは答えではなく、むしろ問いにある。
「何かの疑問に対して、さらに面白い問いを重ねること」これがコツだ。
面白い問いをいっぱい返すことで、相手もいっぱい話してくれる。
実はやりとりが増えれば、お互い納得できる答えは会話の中から自然と生まれる。
自分でもない、相手でもない、その場のやりとりで生まれた答えのほうが
お互い気持ちよく採用できるものだ。
例えば、「何で勉強しないといけないの?」と子供に聞かれたときに、
「勉強はしないといけないものなんだ!」「将来ろくな大人になれないぞ」と
相手がぐうの音も出ない、反論できない答えを返してはいけない。
会話はそこで終了し、子供も納得して勉強する気持ちにはなれない。
「何で勉強しないといけないの?」と聞かれたら
「じゃあ、私は何でお仕事しないといけないんだろうね?」と聞き返してみる。
そうやって子供と一緒に考えてみると効果的だ。
面白い問いをひたすら繰り返すことで、自分も子供も思考力が高まっていく。
課題があったとして、いきなり答えを出すよりも
さらに効果的な質問に変換すると思考力が身につく。
「お客の来ない喫茶店をどうすれば売上が上がるか?」という課題を想定してみる。
まずいきなり答えようとせずに、方向性を決める。
著者は3つの方向性を出している。
①多様性:やることをいろいろ増やす
②多方向性:方向をいろいろ変える
③懐疑:疑う
①の多様性とは、今やってることを増やすことだ。
例えばメニューを増やす。カフェオレをメニューに追加する、
トーストにチーズをのせてチーズトーストとして追加する、といったことだ。
②の多方向性とは、今やってないことを考えることだ。
例えばオフィス街に構えていて、土日は店を開けてないときに
カフェをやりたい若者に貸すとか、ライブイベントを行うとかである。
③の懐疑は、困っている原因自体を疑うことだ。
「売上が下がっている」という原因が果たして最優先事項なのか?
先に経費を下げるべきではないか?
自店だけでなく他店も下がっているのではないか?
上がっている店があるなら何が違うのか?といった疑問点そのものを変えることだ。
いずれにしても大事なのは答えより質問だ。
いきなり答えを出そうとしてもうまくいかないときもある。
誰かと話をするときも、自分で何かを考えるときも、
さまざまな方向から質問を変換して、今一番効果的な質問を探す。
そうすることで会話も続くし、答えも見つかりやすくなってくる。
そこから自信につながるかもしれない。
本日の武器「いきなり答えずに、面白い質問を返していく」