百武日記

自信がない人が自信を持って生きるためにはどうすればよいか。日々考えたこと、学んだことを記録し、自分の武器にする。

まず客を起こす 「頭の回転が速い人の話し方(岡田斗司夫)」

音楽の演奏は、出だしの第一音で決まるそうだ。

「頭の回転が速い人の話し方(岡田斗司夫)」においても、

講演の成功の決め手は、事前に準備よりもむしろ「入り方」であるらしい。

「入り方」というのは、柔道で言えば組手争い、相撲での立会いみたいなもの。

そして、講演では「前振り」になる。

 

講演での前振りの目的は「全体の温度を一定にすること」である。

講演というのは、たいてい遅刻する人がいる。

なので最初からフル回転で話すと、遅刻した人が完全に置いてきぼりになり、

お客さんの間で温度差ができてしまう。

また、前から3列目の人はすごく熱心に聞いてくれるのだが、

後ろの人は「何だかよくわからないな」という雰囲気になることが多い。

そういった聴衆の間の温度差を一定に整えることがすごく大事である。

お客さん全体の首の縦振り度、頷き方の頻度、

こちらが話してからどれくらいの秒数でうなずいてくれるか、

といったポイントがそろうのを、前振りを行いながら待つのである。

 

落語家が最初に枕とか子噺をするのも、客席全体の温度を一定にするためである。

客席の温度が一定になれば、「そこそこ」の話でもみんなが沸くようになるのだ。

だからこの温度管理ができるようになれば、

人前で話す商売は半分出来たようなものだという。

 

 

これは講演だけでなく、他のことにも当てはまると思う。

将棋でも戦争でも、何も考えずに気合で突進していっても負けてしまう。

相手の出方をみながら布陣を整えていく。

相手に自分の攻撃が当たるように態勢を持っていく。

私が塾講師をしていたときも、

授業の導入で熱く語ってクラス全員が、私の話を聞く雰囲気になってから

本格的に授業を始めてたものだ。

それはいわば、こちらの必勝パターンに相手をはめ込むことであり、

主導権を徐々に握れるようにしていくことである。

 

気合で突撃をかますには、突撃が最も効果的になる状況をまず作ることである。

講演においても、年齢・性別・職業など異なる属性のお客さんが来ても

全員を聞く態勢に整え、空気を作る。

お笑いでは「客が起きた」というらしい。

客が起きていないのに渾身のギャグをかましても効果は薄い。

自分の力が最大限に発揮できる態勢をまず整える。

そこから自信につながるかもしれない。

 

本日の武器「まず相手の聞く態勢を整える」