ずるい人こそ最短ルートで行ける 「ずるい考え方 (木村尚義)」
自信のない人は、思い込みが激しい時がある。
「どうせ自分はダメだ」「できない」という固定概念が邪魔になるのだ。
固定概念を打ち破るような考えかたはないだろうか。
一つの考え方として、「ラテラルシンキング」というのがある。
「ずるい考え方 (木村尚義)」から概要を要約してみる。
「ラテラルシンキング」と、対をなすのが「ロジカルシンキング」である。
「ロジカルシンキング」は、論理的に考えるやりかたである。
例えば、「どうせ自分はダメだ」という固定概念があるとして、
その「ダメな自分」という前提を元に考えていくのがロジカルシンキング。
前提そのものを飛び越えて考えるのが、ラテラルシンキング、というのが
私のイメージである。
本に書いてあった例題を見てみる。
あなたは家族におみやげとして、オレンジを2山買いました。
家に着くと、ちょうど親戚の子供が3人、遊びに来てました。
あなたはオレンジを子供だちに分けてあげることにしました。
オレンジは全部で13個あります。喧嘩にならないように、
3人の子どもに13個のオレンジを公平に分けるにはどうすればいいでしょう?
解答例として、挙げられているのは、
①「4個すつ分けて、余った1個を3等分にする」
②「重さを量って、同じ重量分ずつ分配する」といったやり方である。
これらは、ロジカルシンキングのやり方である。
しかし、①だと慎重に分けても「あっちの方が大きい。不公平だ!」という
不満が出るかもしれない。
②だと、量は同じでも味が違ったときに、「私だけ酸っぱい」という
不満が出るかもしれない。
では、ラテラルシンキングだとどうなるか。例えば、
③「ジュースにして分ける」といったやり方になる。
現物のまま分けないといけない、という条件はどこにもなかった。
ならばジュースにすれば、量も味も解決する。
これをオレンジの現物のまま、という前提を元に
論理的にできることを考えるのがロジカルシンキング。
「前提」や「常識」を飛び越えて、あらゆる可能性を自由に考えるのが、
ラテラルシンキングである。
他にも例を挙げると、アーチェリーで弓を的に当てるときに、
訓練して命中率を上げるやり方を考えるのは、ロジカルシンキング。
的そのものを大きくしたり、すごく長いボウガンを使うのは、ラテラルシンキングだ。
あるいは、歩いて的の近くまで行って当てる。
もちろん、アーチェリーにおいて、こんな方法は認めれていない。
しかし、アーチェリーのルールという前提を考えずに、
「的に矢を当てる」という目的のみを考えれば、合理的である。
前提が無効化されれば、ずるい考え方のほうが、最短ルートで解決するのだ。
だから、ラテラルシンキングのポイントは、
いかに固定概念を打ち破るかにある。
著者はそのために3つのキーワードをあげている。
一つは「なぜ?」だ。
なぜ不可能なのか? なぜ必要なのか? なぜ同じでないといけないのか?
いつもだと簡単に流してしまうところでも、
改めて「なぜ?」と問いかけると、思いがけない発想が出るかもしれない。
もう一つは「本当?」だ。
前提条件がいつも正しいとは限らない。
それは「思い込み」かもしれない。
思い込みで動くと、失敗することもある。
最後は「今はね」だ。
あらゆる物事は、時間とともに変化する。
今は正しくても、あるいは不可能でも、
10年後も正しいとも不可能とも限らないのだ。
「~できない」「~なんてあるわけない」ということが、
仮に今そうだったとしても、「今はね」とつぶやてみると、未来の可能性が出てくる。
「どうせ自分はできない」とか、
「もう年だから無理」とか、
「女だからダメ」とか、
何か自信の妨げになる固定概念があったときに、
まずはその固定概念を疑ってみてはどうだろうか。
「なぜ?」「本当?」「今はね」の言葉を使って
固定概念を無効化できないか考えてみる。
そうすることで、自信につながるかもしれない。
本日の武器「自信を妨げている前提に「なぜ?」「本当?」「今はね」を使う」