その島のひとたちは、ひとの話をきかない
仲が悪くなるときのひとつは、 お互いが違う方向を向いているときだ。 互いに自分の考えが正しいと思って、こちらを向けと言う。 方向が同じなら、 違うのはそこへ達するための手段だけだ。 どのルートでもいいと決めていれば、仲が悪くなることは減る。
著者がある地域の特養(特別養護老人ホーム)に見学に行ったときのこと。 地元以外で働いた経験を持つ、ある職員が 「ここの特養のひとたちは元気だ」と言ってたという。 この施設の援護が特別に上手なわけではない。 どこでも見るような普通の対応だ。 違う…
著者が自殺希少地域を訪れていたとき、宿がコテージだったため、 食べ物は自分達で用意しなければならなかった。 著者たちは役場近くにあったコンビニに向かった。 宿と役場は、そんなに遠くなかったのでゆっくりと歩いた。 しかし、コンビニに着くと愕然と…
著者は普段、認知症を持つ人の診療をしている。 認知症は誰もがなりうるものである。 最近のことが覚えられない、さっき言ったことがわからない。 そういった状況に周りの人もイライラしがちになるが、 家族や周囲の人の工夫次第で上手に対処できることもあ…
自殺希少地域を旅しているうちに、各地域には特定のコンセプトを持った コミュニティがあることに著者は気づいたという。 有名なのは、旧海部町にある「朋輩組」である。 組織は同世代で構成され、入会脱会も自由である。 例えば誰かの親がなくなったときに…
災害支援において、支援者自身も疲弊してしまうことがある。 そこで、東日本大震災のときに「支援者支援をしよう」ということになり、 どのように行うべきか各地で議論がわきあがった。 意見が別れて喧々諤々になっていた現場に、著者が行った。 当時は、支…
北欧は福祉の国と言われている。 「家にヘルパーさんがいて1日5回行くなど、在宅生活を支える制度がある」 「車いすの方への援助として介助者が同窓会に付き添うという支援がある」 「高福祉を維持するために高い税金を人々は払うが、一部の人を除き 国民は…
著者は全国の中で自殺者が少ない地域を旅行してまわっていた。 徳島県の旧海部町に行ったときのこと。 著者が最初に抱いていたイメージは、ゆっくり休めて癒される、 そういった空間であった。 もしかしたら当時は少し疲れていたから、 リゾート地で疲れをと…